甘藷の地上部の発達と塊根形成との関係 : II.栽植密度の違いが地上部の発達および塊根の形成に及ぼす影響
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概要
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甘藷品種ミナミユタカを用い, 栽植密度を変えた場合について, 茎葉部と塊根の発達の様相とその相互関係について観察した.1.各次元の分枝の形成開始の時間間隔は一定であった.1次分枝は移植後間もなく, 2次分枝は移植後35日頃に開始し, 以後35日毎に3次, 4次分枝がそれぞれ形成を開始した.この間隔は栽植密度によって影響を受けなかった.2.栽植密度が疎になるほど, 個体当りの茎葉乾物重は大となる傾向にあったが, とくに低密度区の2次分枝の発達は特異な消長を示し, 生育前期に急激に発達するが, 生育後半には一転して落葉の進行が著しかった.その結果, 茎葉部における葉乾物重割合か低下し, 塊根の肥大効率の低下につながったと考えられた.3.主茎基部直径は高密度区<中密度区≨低密度区の順に大となったが, 生育前期における1次分枝の生長量が著しいほど直径は勝っていた.また主茎基部直径は塊根乾物重との間にも正の相関が認められ, 直径の大小が同化産物の転流に影響を与えていることが示唆された.
- 鹿児島大学の論文
- 1991-03-15
著者
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