屋久スギ天然生林における種の平面・空間分布について
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概要
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屋久島の屋久スギ天然生林分を対象に, 森下のI_δ指数, I_<δ(S)>/I_<δ(2S)>指数およびR'_δ指数を用いて, 林分を構成している主要樹種の平面・空間的分散構造を分析した.対象地は, 永田岳の西南西の標高1550m地点(鹿之沢小屋附近)であり, その地点の推定した温かさの指数と寒さの指数は, それぞれWI=58,CI=-26.5であった.今回の分析で次の事が明らかになった.1)スギの根元直径, 樹高の分布ともL型分布を示している(Fig.1と2).2)スギの稚樹は, 腐植のある地床上で生育している本数が多い(Table3と4).3)スギの平面分布の様式は, 稚樹(stem), 稚樹(humus), スギ下層(H=<0.5m), スギ上層(H≩0.5)とも小集団を持つ集中分布で, その集団内分布はランダム分布である(Fig.3と4).4)低木層の広葉樹の平面分布様式は, 集中性の高いヤマボウシ, タンナサワフタギ, ヒメヒサカキの群と集中性の非常に低いヤクシマシャクナゲ, アセビ, ハイノキの2群に区分できる(Fig.5と6).5)スギ各層間の平面分布の相関は, スギ上層と稚樹(stem)の間の相関を除き, すべて高い正の値を示している(Fig.7).6)スギの各層と出現頻度の高い樹種間の分布相関は, ヒメヒサカキとアセビの2樹種を除き, すべて負の値を示している(Fig.8〜11).7)スギの稚樹は, スギ上層の周辺でしかもスギ上層と灌木が相反している空間に更新している.
- 鹿児島大学の論文
- 1985-03-15
著者
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