「いのちの敬虔」の思想における宗教性とその場的性格
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概要
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教義や教理をもつ普遍主義的宗教とは異なり、神道には、言葉で説明しにくく、理論化し難いという性格がある。その為に、神道をいかに理解するかということについては、他の宗教に見られないほどの振幅があるが、特徴的なのは、神道に対する評価と、日本人の宗教心の有無についての判断は相関的であるという現象が見られることである。日本人西洋人を問わず、神道について否定的な評価を下す研究者は、日本人の宗教心の有無についても否定的であり、神道に深い宗教性を認める人々は、また日本人に宗教心が存在することも認めているのである。神道と日本人の宗教性という問題を、自己の問題として考えた現代の思想家が、小林秀雄である。小論は、小林によって明らかにされた本居宣長の神道理解を発端的な手掛かりとして、神道に現れた日本人の宗教性を考察し、神道という宗教には場的な性格があることを示そうとした。
- 2006-03-31
著者
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