歴史と伝統(後編) : 小林秀雄研究覚書(一)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
小林秀雄の文化論は、現代日本の最も上質な文化論であり、その特徴は、文化を論ずることは、伝統や歴史の問題を考えることと切り離せないということに注目したところにある。しかし、現代の日本では、これは益々解りにくい考えになっている。また、小林には、若い頃から、歴史に言及した文章や発言は少なくないのみならず、小林の宣長論の主題の一つは歴史の問題である。にも拘わらず、小林の歴史論は、必ずしも正しく理解されてきたとは言い難い。小論の目的は、小林の歴史論をできるだけ小林自身の言葉をもって明らかにすることにあり、第一章「歴史感情と歴史意識」、第二章「歴史と自然」を論じた前編に続いて、この後編では、第三章「歴史における客観性実証性と無私な内的視力」、第四章「歴史と言葉」、第五章「歴史と伝統と文化」という表題のもとに考察を行なう。
- 人間環境大学の論文
- 2005-03-31
著者
関連論文
- 神道の死生観をめぐって : 『古事記』の死後観は心情的ニヒリズムか
- 「いのちの敬虔」の思想における宗教性とその場的性格
- 日本文化における自然信仰の問題
- ニヒリズムの時代に於いて宗教的思索の場を開くもの
- 経験と言葉と宗教--宗教の二つの立場とその言語観を手懸かりとして
- 経験の自覚と言葉
- 科学技術,経験,言葉-1-
- 言葉-1-物のあはれをしる道
- マイスタ-・エックハルトに於ける神の一性と三一性の問題--キリスト教に於ける神の三一性の問題をめぐって
- キリストのmysteriumから三一性のmysteriumへ--マイスタ-・エックハルトに於ける神の三一性の問題をめぐって
- 歴史と伝統(後編) : 小林秀雄研究覚書(一)
- 歴史と伝統(前編) : 小林秀雄研究覚書(一)
- キリスト教神秘思想に於ける三一性の問題
- 「いのちの敬虔の思想」における死の問題 : 神道はニヒリズムか(第八部会,第六十五回学術大会紀要)
- 実在の自覚としての言葉の創造的表現性
- マイスタ-・エックハルトに於ける形而上学と神秘思想--エックハルトのアナロギア論をめぐって
- 科学技術文明と日本人の自然観
- マイスタ-・エックハルトに於ける受肉のmysterium--三一性のmysteriumへ向かう道
- マグデブルクのメヒティルドによる「神性の流れる光」--民衆語(ドイツ語)で書かれた啓示文学の精神史的位地〔独文〕