改良型PAS染色法を用いた癌組織鑑別の有効性
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概要
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改良型PAS染色法を使って癌組織内のグリコーゲン含有癌細胞を識別するために5例の大腸癌組織を染色した結果,3例(分化型腺癌;進行癌)では癌痛巣部辺縁(=正常部との隣接領域)にグリコーゲン含有癌細胞集塊を確認した。癌病巣中心にはグリコーゲン含有癌細胞集塊は稀であった。1例(低分化型腺癌;進行癌)は癌病巣の粘膜深部領域に,前3者とは形態的に異なった様相のグリコーゲン含有癌細胞群を確認した。残りの1例では標本全体が病巣部で,正常部との隣接領域を確認できなかった。この標本ではグリコーゲン含有癌細胞は認め得なかった。改良型PAS染色法は,将来増殖する可能性のあるグリコーゲン含有癌細胞を容易に識別出来る点で,将来異常増殖するであろう大腸癌組織を正常組織あるいは壊死に陥るであろう癌組織から鑑別するのに有効であると推察した。
- 熊本保健科学大学の論文
- 2006-03-31
著者
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