ヴァイマル期におけるA.ザロモンの社会事業理論
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概要
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ドイツの社会事業職は女子社会事業学校制度の枠組みに拘泥したために、半専門職の地位に押し込められ、結果的には1950年代まで、中期フェミニズムの影響を受けて形成された社会事業理論と、ジェンダー化された職業倫理との一枚岩的な構造から脱却できなかった。本稿では主にヴァイマル期に限定して、ザロモン理論を取りあげた。ヴァイマル期福祉改革の路線に即して、新たな課題を強いられるザロモンの生活環境の変化を探り、円熟期ザロモンの社会事業理論や教育論の新動向を概観した。特に初期理論との比較を行いながら、ザロモンが母性主義的社会事業理論を離脱し、アメリカの援助方法の導入やヨーロッパ型社会事業教育の国際ネットワークに尽力する経緯を述べ、同時に大学院レベルの「女子社会事業・教育職のためのドイツ・アカデミー」の設置によって、高度な専門職業人の教育に着手するに至る背景を考察した。さらにヴァイマル期のザロモン理論が民主化志向であるにもかかわらず、なおジェンダー化された職業倫理に呪縛される経緯を指摘し、晩年の理論破綻に繋がる原因が社会事業成立期の欧米理論に共有される欠陥であることを明らかにした。
- 2001-03-25
著者
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