知的障害者と健常者の友達関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
友達関係は人生においてなくてはならないものだが,障害のある人にとっては,ノーマライゼーションの実現ということにおいて障害のない人との友達関係も欠かせない.この重要なテーマについての試行的・探索的な本研究では,作業所に福祉就労する知的障害者(41名,うち31名が20歳台)の保護者に対して質問紙調査を実施した.その結果,彼らには友達が少なく,特に障害のない友達をもっている人は僅少であること,保護者たちは子どもが就学前や学童期の頃は障害のない友達ができるようにといろいろ取り組んでいることが示唆された.また現在,程度に強弱はあるが,半数を明らかに上回る保護者(6割強)が,子どもに障害のない友達がいればよいと思い,一方でその実現を容易でないと考えていることが示された. さらに本研究では,筆者の一人(渋谷)が友達関係を深めてきている知的障害(ダウン症候群)の青年の母親に面接し,母親が友達関係の大切さを認識し,障害の有無を問わず友達ができるようにと青年の幼い頃から何かと配慮と行動を重ねてきていることが確認できた. 以上の結果を踏まえ,友達関係の構築に向けた支援のあり方について,また研究上の課題について言及した.
- 2006-04-28
著者
関連論文
- 知的障害者と健常者の友達関係
- 知的障害児と健常児の友達関係についての保護者の意識
- 障害児の祖父母についての研究 : 同居の父方祖母に対する母親の意識を中心に
- 障害児者の地域生活支援 : 「障害児者の地域生活支援を考える秋田ネットワーク」の取り組み
- 地域における障害児を持つ家族とその支援者の連携
- 自閉症の感覚過敏に着目した授業改善の取り組み : 秋田大学附属養護学校小学部の実践から
- 特別支援教育における摂食指導の実態と医療職種導入の効果について -養護学校および教師に対するアンケート調査から -
- 地域における障害者への支援活動 : 秋田県の場合
- 障害児の祖父母に対する支援についての展望
- 精神遅滞児に対する鬼遊びの指導の試み
- 発達障害者支援センターにおける祖父母支援 -センターへの質問紙調査を通して-
- 特殊教育と作業療法の連携についての研究
- 通園施設における障害のある子どもの祖父母に対する支援
- 知的障害者の自己概念に関する研究知見と実践的課題 : 〜文献的考察を中心に〜
- ダウン症児の自己意識の発達に関する研究 : 連絡帳の分析を通して
- ダウン症児の内面の発達に関する研究--連絡帳の分析を通して
- 障害児の祖父母に対するサポ-ト--アメリカ合衆国における取り組みを中心に
- Rett症児の発達過程--1歳2カ月から2歳までを中心に
- 障害児とその家族のための援助システム--秋田すずめの会の場合
- ダウン症児における初期的ごっこ遊びの発達
- 精神遅滞児のごっこ遊びに関する事例的研究--行為の系列化ならびに象徴的行為の発達との関連で
- 障害者の親の会の研究 -- 「秋田すずめの会」の21年 --
- 特別支援教育のもとでの学校と保護者の連携
- 知的障害特別支援学校における「遊びの指導」 : 学習指導要領解説の「遊びの指導」に関する記述の分析
- 知的障害特別支援学校における「遊びの指導」の課題 : 「遊びの指導」における子どもの内面理解について