ソフトウェア・パイプライニングの一実現法
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概要
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ソフトウェア・パイプライニングは,ループの命令レベル並列性を高める1つの方法であるが,従来の方法では,カウンタを使ってループの終了判定をするループにしか使えない,ループ終了判定の命令を変更する必要がある,繰返しの回数が少ないループには使えない,といった問題がある.それらの問題を解決する1つの方法として,ループの終了判定命令とその命令が依存するすべての命令を最初にスケジュールし,その後でパイプラインのスケジュールをする方法を考案した.プロローグ部でももとの終了判定命令に相当する命令を実行し,カーネルループではもとの終了判定命令をそのまま実行するようにすることで,上記の問題を解決することができる.この方法の欠点はループの終了判定命令が依存する命令に対してはパイプラインのスケジュールをすることができない点である.提案する方法をCOINSコンパイラ・インフラストラクチャを使って実装し,いくつかの例題で効果が得られることを確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2006-10-15
著者
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