4枚カード問題における課題素材効果と視点教示の効果
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概要
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4枚カード問題について,4つの実験が行なわれた.実験1では,大学生を被験者として課題項目(カード)の内容(記号・具体的な絵),課題項目の表示形式(表裏・上下),課題場面設定の有無,課題教示のタイプ(肯定形・否定形)の要因分析が行なわれた.その結果,課題項目を具体的にすることと自然な課題場面を設定することが成績の向上にとって有効であることが明らかとなった.実験2では,教示文がルールの真偽を問う形かカード事例の正誤を問う形かによって成績が影響されることが示された.実験3・4では前二実験の結果をふまえ,課題項目が具体的な絵で,自然な課題場面が設定された課題状況であれば,小学生でも論理的推論課題が解けるかどうかを調べ,同時に視点教示の有効性を検討した.低学年の生徒は課題そのものの理解が困難であり,高学年の生徒でも単に視点教示を与えられただけでは成績が向上しない.問題解決においては形式論理的操作能力だけでなく,課題内容の内的表象を連想的に進展させる能力が重要であり,また特定人物の視点に立つことが真に有効となるためには,その人物の役割が具体的に認識される必要がある.
- 日本基礎心理学会の論文
- 1984-09-30
著者
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