臨床看護婦の看護活動に関する研究 : 看護問題に焦点を当てて
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概要
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本研究の目的は、臨床看護婦が患者の看護問題にどのように対応しているかという視点から、10名の看護婦と3名の患者によって展開された41ケア場面を分析することによって、臨床看護婦の行う看護活動の構成要素を探索し、その現状を明らかにすることである。研究方法はGrounded Theory Approachを参考にし、データは参加観察(非介入)によって収集した。その結果、以下のようなコード、サブカテゴリ、カテゴリが得られた。1.患者の行動より、78のコードが抽出され、これらは19のサブカテゴリに、さらには身体、心理、社会の3つのカテゴリに分類された。これらの3側面は相互に関連し合っており、患者は各要素の総和以上の統一体として存在していることが示された。2.患者の心理的側面の行動の中に、適切なケアへの反応、不適切なケアへの反応が含まれていた。3.臨床看護婦の看護活動より、156のコードが抽出され、これらは42のサブカテゴリに、さらには、看護過程展開に関する要素、看護過程展開を支える要素、看護婦の自己実現に関する要素の3つに分類された。臨床看護婦は多様な看護活動を行っているものの、看護問題を十分に解決し得ていない状況が示された。また看護過程展開を支える要素に包含される、知識、常識、態度、責任、組織活動などの諸要素にも様々な障害が示された。4.臨床看護婦の看護活動より、ケアによる患者への影響が抽出され、看護婦の職業的発達に関わる自己実現に関する要素が抽出された。
- 日本看護教育学学会の論文
- 1993-03-31
著者
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