音波物性と臨界普遍性[1] : 平衡相転移と非平衡相転移(一般・音波物性)

概要

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臨界現象の研究はノーベル賞を受賞したファン・デル・ワールス理論にはじまり、その後のさまざまな発展をへて同じく近年ノーベル賞を受賞したWilsonの「繰り込み郡理論」の発見によって100年間解けなかた難問が解決されるに至った。臨界現象の研究が完成期を迎えたこの流れは次の課題、過冷却状態の水の多様性や難問中の難問である「ガラス転移」や高分子系を含む「複雑流体」と呼ばれる新たな問題に、非平衡臨界現象のスケーリングと普遍性をめぐっての応用研究へと変遷してきたという経緯がうかがえる。また、「複雑流体」の中でも水の物性をめぐって、過冷却状態の水が臨界点を伴ういわゆる水の第2臨界点仮説の検証をめぐって、精力的な研究が展開されている。このことは、最近になって三島とスタンレー達が水の過冷却状態に液体-液体相転移が存在し、水の第2臨界点仮説を提唱し、実験理論の両面からの研究が水のミステリーの新たな局面を迎えるに至っている。ここでは、これらの問題に関係して音波物性の研究が果たして来た役割と成果について、その概要をレヴィウする。我々が世界にさきがけて、はじめて提唱してきた擬似臨界現象と相転移の問題は水の第2臨界点仮説と酷似しており、擬似臨界現象の多重臨界性について臨界線に沿った相転移と超臨界点直上の臨界普遍性についてスケール普遍性が成立する事を報告してきた事実と本質的に等価である。
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-10-13

音波物性と臨界普遍性[1] : 平衡相転移と非平衡相転移(一般・音波物性)

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