英語項省略と認知と構文文法 : 虚辞Thereからの眺望
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の議論の構成は以下の通りである。先ず第2節では、項の概念規定を行う。とりわけ、虚辞(expletive)、疑似項(pseudo-argument)、項の区別を手始めに、意味論的項(semantic argument)と統語論的項(syntactic argument)、そして構文文法でいうところの動詞の項(argument of verb)と構文の項(argument of construction)について触れた後に、There構文の主語に生起する虚辞(expletive)のthereは、構文の項に属すると主張する。第3節では、Goldberg(2001,2005,2006)の構文文法での項省略分析の不備を指摘する。第4節では、認知論的視点から項省略についての代案を提起する。最後に議論をまとめる。
- 熊本大学の論文
- 2006-11-30
著者
関連論文
- 英語聞き取り試験導入と熊本大学入学者の英語能力(2)
- 完了表現の発達と主観化について
- 軽動詞doと二重目的語構文について
- 動詞 hand, write, wave における与格交替 : 使役移動と使役所有
- 多義性と意味変化における構文の役割について
- 英語項省略と認知と構文文法 : 虚辞Thereからの眺望
- 文法化と中和 : 虚辞Thereからの眺望
- 挨拶表現「お疲れ(さま)」について : 誤用における相互主観化
- 日本語における存在文と所有文の主語と尊敬語化について
- 「〜がする」構文と「〜にする」構文に関する覚え書
- 日英語に於ける「存在」の表現に就いて
- チョーサーに於けるThere構文に就いての覚書
- 派生名詞形におけるPROの存否について
- PROの先行詞とθ役割に関する覚え書
- 主語・助動詞倒置に関する覚え書
- 他動詞型の There 構文 : 統語変化の過渡的現象
- 英語の受動文の統語変化をめぐって : 格と語順