野外採集されたキチマダニ若虫の季節消長の比較 : 屋外の実験条件下での新旧の世代交代
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概要
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新旧世代の交代時期を明らかにするために月別に野外採集したキチマダニ若虫の季節活動性を屋外に置いたプラスチック円筒内で観察した.2004年5月,2005年3月,4月に野外採集した若虫のプラスチック円筒内での活動は6月まで高かったが,7月には低下し,8月にはほとんど見られなくなった.2004年6月に野外採集した若虫の活動は12月まで見られたが,その活動個体数は少なかった.2004年7月,8月に野外採集した若虫の活動は10月あるいは11月まで高く,さらに翌春でさえ少数ながら活動が見られた.2004年9月に野外採集した若虫の活動は7月,8月に野外採集した若虫のそれに類似した.2004年10月,11月に野外採集した若虫の活動は1月に若干低下するものの翌春まで高かった.2004年12月,2005年1月,2月に野外採集した若虫の活動ほ秋(10,11月)に野外採集した若虫のそれに類似した.以上の結果からキチマダニの新世代若虫の参入は夏と秋の2度にわたって起こると思われる.夏と秋の新世代若虫はそれぞれ6月と10月に植生上に登り始め,翌年の6月と8月あるいは9月にすべてが死亡すると思われる.
- 2006-06-15
著者
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藤本 和義
Department Of Allergy And Immunology Saitama Medical School
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藤本 和義
Saitama Medical University College
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