シャドーイングを利用したリーディング指導の実践 : 復唱訓練が読解力に与える効果について
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概要
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基礎的な読解力には、文法力、語彙力だけでなく文字情報の音韻符号化を伴う読解課程も含まれる。しかし読解時の音韻処理効率を高める指導についてあまり研究されていない。本報告では、音韻符号化の能力を高める指導として実践したシャドーイング訓練の効果について議論する。音韻ループの効率を高めるシャドーイングがリスニングだけではなく読解にも有益であるという観点から、読解力の伸長に復唱訓練が影響するかを検証した。学期開始前後の読解テストにより指導効果を検証した結果、音声練習を取り入れた実験群と統制群とも一定の伸長が見られたが、各群を上位・下位に分けて平均差を比較した結果、実験群下位に限定的に有意な伸長が見られた。復唱指導が下位群の読解力伸長に有益であることから、本指導の読解力への効果は間接的である。音韻処理に問題がある一部の学習者のみに効果が出るという可能性について読解と音韻ループの関係から議論し、今後の研究について提案する。
著者
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