笠形有肺類の 1 種ヒラカラマツガヒ Siphonaria atra QUOY et GAIMARD の運動に就て
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概要
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1. ヒラカラマツガヒSiphonaria atraは, 平均水面下附近30糎位の狹範圍内の岩面上に住む.そして垂直面上に於ては, 頭部を上位にして居るものが多い.2. 運動法はmonotaxic retrograde typeに屬するが, 波は橢圓状をなして擴がる.3. 運動時期は書夜に拘らず, 潮が干いて丁度貝が水面上に現れる頃か或はその直前である.そして常に全個體が運動を起す.その他の期間は一般に運動しない.4. ヒラカラマツガヒは一定の家(home or scar)を有し, 歸家習性を示す.この際歸路は, 往路と殆ど同路を通るか, 或は外套膜縁が往路を離れぬ距離以内に於て別道を通る.5. 攝食匍匐の距離及び方向は日により違ふが, 距離は凡そ殼長の5.5-14.5倍位である.6. 9, 10, 11月の期間に於ては一般に家(home or scar)を變更しない.
- 日本貝類学会の論文
- 1935-08-23
著者
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