施設トマトにおける施肥前の土壌中硝酸態窒素量が栄養診断に基づく施肥量に及ぼす影響
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概要
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作付け前の土壌中硝酸濃度が異なる圃場でのトマト半促成栽培において,基肥窒素量を変えた条件下で栄養診断に基づく追肥を行う試験を1998〜2000年の3年間実施した。1)栄養診断に基づく追肥は,葉柄汁液中の硝酸濃度が2,000mg L^<-1>を下回ったときに液肥を用いて窒素成分で1回当たり15kg ha^<-1>施用した。葉柄汁液中の硝酸濃度は,ピンポン玉大(直径2〜4cm)の大きさに肥大した果房直下の葉で,かつ中位に位置する小葉の葉柄を対象とし,第1果房肥大期より最終果房肥大期まで毎週1回測定した。2)葉柄汁液の硝酸濃度に基づく本施肥法で,千葉県の標準収量を確保しながら減肥率を上げるための最適基肥量は,施肥前の土壌診断で,0〜30cm層の土壌中硝酸態窒素が150mg kg^<-1>以上なら不要,100〜150mg kg^<-1>であれば県施肥基準の25%にあたる38kg ha^<-1>程度,100mg kg^<-1>以下であれば施肥基準の50%にあたる75kg ha^<-1>程度であった。3)これらの条件で,トマト葉柄汁液の硝酸濃度を収穫始期から摘心期において1,000〜2,000mg L^<-1>に維持することにより,目標収量を確保することができた。このときの窒素の減肥率は,千葉県の施肥基準に対して49〜76%となった。
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 2005-12-05
著者
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