ヒト歯肉由来培養ケラチノサイトにおけるテトラサイクリン系抗生物質の細胞生存率と細胞内濃度に及ぼす効果
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概要
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ヒト歯肉由来の培養ケラチノサイトを無血清培地で培養し,各種テトラサイクリン(TCs)作用後の細胞生存率と取り込まれたTCsの細胞内濃度を調べた。その結果,1) TCs作用後の細胞生存率は,各TCs間で異なり,ミノサイクリン(MINO)作用群で最も低く,テトラサイクリン(TC),クロルテトラサイクリン(CTC)作用群の順で高くなった。2) MINO作用群の細胞生存率は培地中のCa^<2+>濃度に依存し,高Ca^<2+>存在下より低Ca^<2+>存在下で低かった。3)細胞内TCs濃度も, MINO作用群で最も高く,TC, CTC作用群の順で低くなった。4)各TCsの細胞内への取り込み速度は,作用開始24時間目までは,MINO作用群で最も速く, TC, CTC作用群の順で遅くなった。5)細胞内に取り込まれたTCsの細胞内停留性をMINOとTC間で比較したところ,MINOの方が高い停留性を示した。これらの結果は,(1)ヒト歯肉由来培養ケラチノサイトの細胞生存率に及ぼす効果は各TCs間で異なること,(2)細胞生存率の低下は,細胞内に取り込まれたTCsの細胞内濃度や細胞内停留性と関連していることを示している。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1998-03-28
著者
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