長崎県小離島の口腔疾患に関する疫学的研究 : 問診表による歯周疾患に関する調査結果

概要

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長崎県無歯科医地区小離島住民(人口455人,回答者336人)および長崎大学歯学部附属病院保存科新来患者(回答者322人)を対象として歯周疾患に関連した事項を主な内容とするアンケート調査を行った。そのうち,歯周疾患に関する自覚症状,口腔清掃の習慣など,特に歯周疾患に係りの深いと思われる項目について報告する。1)過去における歯科治療の経験は,江ノ島で,89.6%,保存科新患で98.1%で,殆んどの人が,歯科治療の経験者であった。2)自覚症状のうちで最も高い値を示したものは食片圧入であり,江ノ島51.5%,保存科新患79.2%であった。その他の歯肉出血,歯肉の不快感,歯の動揺および歯肉腫脹も後者の方が高い値を示した。またこれらの自覚症状のうち,最も早く発現したと思われる症状は,江ノ島住民では食片圧入(43.6%),保存科外来では歯肉出血(33.5%)であった。3)1日のブラッシング回数では,江ノ島の0〜19歳では2回および3回が約80%を占め,20歳以上では1回および2回が約80%であった。保存科外来では江ノ島と比較して2回および3回の占める割合が高くなっていた。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1984-12-28