『宇治拾遺物語』樵夫説話と慈円 : 第三話を起点として
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概要
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本稿では、『宇治拾遺物語』から樵夫が主人公となっている第三、四〇、一四七話をとりあげ、その人物造型と「北山樵客」と称した歌人慈円の像との重層性を論じた。第三話の樵夫には、同説話集内外の説話や『法華経』、今様との連想関係から、天台の不動信仰者としての面影を読むことができ、宗教者としての慈円と重なる。また、第四〇、一四七話における樵夫の当意即妙な和歌の詠み振りには、慈円和歌との共通性がある。このような像の重層性から、同説話集と慈円との密接な関係を指摘した。なお、本論文は、平成十二年度お茶の水女子大学大学院人間文化研究科に提出した博士論文『中世初期説話文学研究-『宇治拾遺物語』とその周辺-』の一部である。
- 敬愛大学・千葉敬愛短期大学の論文
著者
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