養護老人ホームにおける痴呆性高齢者の生活課題及びその対応に関する基礎的研究(その1) : 養護老人ホームM施設を対象として

概要

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本研究では、養護老人ホームにおける痴呆性高齢者に関する基礎的研究と位置づけ、M養護老人ホームを対象として、ケーススタディ的に養護老人ホームにおける痴呆性高齢者の生活課題の抽出を図るとともに、課題解決に対する現時点での取り組みの現状を、施設環境およびケアの観点から分析していくことを目的とした。その結果、(1)M養護老人ホームにおける物理的な施設環境については、居室については、個室が確保されており、そういった意味において、痴呆性高齢者のプライバシーの尊重が確保されていたこと、(2)M養護老人ホームにおける痴呆性高齢者は、入居者全体の約3割存在しており、そのレベルは中軽度程度であったこと、(3)痴呆性高齢者の生活課題としての行動障害については、行動障害が確認されない痴呆性高齢者が半数存在する一方、約半数の入居者が興奮、暴力・暴言、尿便失禁、あるいは痴呆の症状としての記憶障害、見当識障害などの生活のしづらさを抱えていたこと、(4)痴呆性高齢者に対する対応の現状として、「安全と安心の支援」「見当識への支援」「自立への支援」「対人関係の調整」「身体的健康と衛生面への支援」を目標として、「声かけ」「見守り」「誘導」「環境的支援」を行っており、職員によるかかわりによる対応が中心であるが、痴呆を有していない利同者による、いわばセルフヘルプ的な支援も存在していたこと、(5)一方、痴呆性高齢者に対する対応は、物理的な環境的配慮が十分には確認されなかったこと等が明らかとなった。
2005-03-01

養護老人ホームにおける痴呆性高齢者の生活課題及びその対応に関する基礎的研究(その1) : 養護老人ホームM施設を対象として

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