熱性痙攣を既往に有するてんかん児の病態と脳波基礎律動の発達に関する研究

概要

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大学病院および市中病院に通院中のてんかん児のうち,熱性痙攣を既往に持つ児(Epi-FC児)と持たない児(Epi-nonFC児)の病態と,パワースペクトル分析を用いて大発作型てんかん児(GTC児)の脳波発達を比較検討し,以下の結果を得た。1 てんかんの発作型は,大学病院のEpi-FC児では大発作が多くEpi-nonFC児では続発全般てんかんが多かったが,市中病院ではEpi-FC児,Epi-nonFC児とも大発作が過半数を占めた。2 大学病院のEpi-nonFC児はEpi-FC児に比し発作頻度が高く,発症年令が早く,精神運動発達遅滞児が多かったが,これは大学病院のEpi-nonFC児には続発全般てんかんが多く含まれている為であり,同一発作型の比較ではEpi-FC児,Epi-nonFC児間の発作頻度,発症年令,精神運動発達遅滞率に差は認められなかった。3 GTC児の脳波基礎律動の発達は正常児よりも遅かった。GTC児ではδ, θ)帯域の%パワーの減少とα2帯域の%パワーの増加が遅れたが.GTC-FC児よりGTC-nonFC児の方がとの傾向が強かった。以上,同一発作型の病態はEpi-FC児,Epi-nonFC児で差は認められなかったが.GTC児の脳波発達には差があり,GTC-nonFC 児にはGTC-FC児より器質的原因を有している者が多く含まれていることが推測された。