地域コミュニティ施設における造形教育の現状と課題 : 児童館の造形遊びワークショップを通して
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概要
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近年,子どもを取り巻く遊びの環境は急速に変化してきた。地域における施設の造形教育はどのような可能性を持ち,今後どのような役割を担い得るだろうか。本稿では,まず第一に,子どもを取り巻く社会の変化,及び近年の遊び環境の変化について概観し,地域社会における造形教育の現状と問題点をまとめた。そのうえで,東京都の公立児童館において,小学生児童および幼児親子を対象に造形活動カリキュラムをつくり,ワークショップ実践を行った。その結果,各回それぞれの活動において美術的・教育的効果が得られるとともに,児童らによる自発的行動,幼児の造形遊びに対する保護者の支援行動などが引き出された。これらの結果は,地域施設における造形教育が,各年齢の子どもたちに有効な遊びを提供しつつ子育て支援の一策となり得ることを示唆するが,一方で,社会的問題として,多様なストレスを抱える現代の子どもたちに対するケアの必要性を課題として残している。
- 2006-03-31
著者
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