トウモロコシの根表面積が水吸収および蒸散に及ぼす影響
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概要
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本研究では植物の水吸収および蒸散に及ぼす根表面積の影響を理論的に誘導し,実験で検討した.その結果は以下のように要約できる.1.報告された根の吸水機構と流体力学的方法に基づき,根の表面積と水吸収関係の理論モデルを構築し得た.2.根表面積が少なくなると,根の吸水抵抗が大きくなり,Esは小さくなるが,単位根長当たりの吸水速度は大きくなることが分かった.根表面積が少ない個体は根表面積が多い個体より水ストレスを受けやすいことも明らかとなった.3.気象要素はEsに大きな影響を及ぼすことが分かった.日射量が多くなり,気温が高くなる時,植物の蒸散は促進され,日射量は気象要素の中で,最も重要な要因であることが明らかとなった.4.葉面積/根表面積および気象要素がトウモロコシのEsに及ぼす総合的な影響を考察して,Esを算定できる重回帰式が導かれた.5.本研究では,土耕の個体は水耕の個体より最大Esが大きかった.また,土耕の個体は水耕のものより正常な生長を満たすのに必要な根表面積が多い.土耕および水耕とも,葉面積/根表面積の増加に伴って,個体の吸水能力が低下することが明らかになった.
- 千葉大学の論文
- 1998-03-31
著者
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