グリーンベルト(緑・地帯)の諸提案とE.ハワードの田園都市コンセプト確立における再編過程 : オープンスペースの機能と配置の古典的原則
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概要
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本研究では世界的にみて広域的緑地計画に大きな影響を与えてきたグリーンベルトのアイデアを取り上げ,それ等の18世紀から19世紀に掛けての古典的諸提案が後継者によっていかに学習され再編されてあたらしいプロトタイプになったかを明らかにした.具体的には農村地帯,農業地帯等を総称する概念としてのカントリーベルト,パークランド等によって都市を囲む,あるいは都市をそれらの地帯の中に計画する手法の古典的,実在的事例として,アデレードプランを取り上げ,それがE.ハワードのガーデンシティ構想に繋がっていったプロセスにおいて,オープンスペースの機能,配置がより単純な広場型のものからヒエラルキーを持った体系的なものへと再編されてきた過程,更には都市が成長するという生物学的理解に立った上での,都市発展の空間的受け皿としてのそれらの役割を分析した.その結果,19世紀後半における空間計画論の確立期にあって,社会改良家としての思想的背景と行動的規範をもつ事業家が,空間計画の専門家ではなかったために,様々な先駆的諸提案を学習し,それらの諸原則の寄せ集めてきた手法によって成長にたいする制御器官としてオープンスペースの地帯を位置づけ,それをも都市経営の対象とした構想に再編することが可能となり,実践的な建設プロジェクトにつなぐ事が可能となったこと,そして一つのプロトタイプとみなされるプランに対する学習に基づく再編過程において生み出された空間計画の諸原則自体も学習の度合いに応じて成長してきたことが明らかになった.
- 千葉大学の論文
- 1992-02-25
著者
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