都市公園の規模別比較から見た高齢者の公園利用に関する研究
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概要
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高齢化現象が急速に進んでいる中で都市公園の在り方を検討することが重要である.本研究では,高齢者率の高い東京都区内の高齢者福祉施設において調査を行い,一般利用者の既往調査結果と比較して高齢者の公園利用の特徴を明らかにした.さらに滞在時間と来園頻度に着目して高齢者の公園利用の構成と来園距離との関係について公園規模別に考察を行った.その結果,滞在時間と来園頻度の8つのカテゴリーいずれにおいても,街区公園規模の公園利用者の90%が公園から500m圏域内に居住しているのに対して,近隣公園規模以上の公園利用者については公園から2000m圏に至る広範囲に居住地が分布しており,居住地の近くに同規模の公園が存在するにもかかわらずより遠くの公園を選択的に利用する場合があることが判明した.また,近隣公園規模以上の公園利用者については,同じ累積構成の場合,滞在時間が長くなるほど来園距離が長くなる傾向がみられた.このように近隣公園規模以上の公園利用者の来園距離にばらつきがみられたことから,これら公園利用の選択性については,必ずしも来園距離と公園規模という要因だけでは説明できないことが示唆された.
- 千葉大学の論文
- 1999-03-31
著者
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