緑化樹の耐塩性に関する研究 : 葉内浸入塩素量を指標として
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概要
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緑化樹の耐塩性を知るために,身辺によく見られる樹種の切枝を用い,この葉面に塩水滴を高濃度或は低濃度に付着させて,経時的に葉内に浸入する塩素量をモール法によって測定した.それに伴せて葉面に現れる可視被害の観察を行った.その結果,(1)高濃度の付着によっても,塩素が葉内に殆んど浸入せず,従って被害の現れない樹種.(2)低濃度の付着に対しても,急速に浸入して早く被害の現れる樹種.(3)高濃度の付着に対しては,可成り早く浸入して被害が現れ,低濃度の付着では少量の塩素が徐々に浸入するが,殆んど被害の現れない樹種に大別出来ることがわかった.そして被害の程度は,何れの場合も葉内浸入塩化物の量によって左右されるという推測を得た.また葉齢によって,浸入塩素量即ち被害度が異ることや,葉基より葉先により多くの塩素が集積されることもわかった.また,樹葉の構造による塩分の浸入の難易を探る目的で,その断面や表面の顕微鏡による観察を行い,2・3の知見を得た.
- 1986-10-30
著者
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