臨海埋立地における緑化樹の潮風害の季節的変化
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概要
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1986年,千葉市海浜埋立地において緑化樹の潮風害による被害状況を生育期間を通して調査した.クロマツでは,被害は調査期間中ほとんど観察されなかった.マテバシイ,ウバメガシでは,内陸寄りの樹木では被害は著しくなかった.両者とも被害は主として新葉の展開期に観察されたが,マテバシイの葉の展開が春期に限られているのに対し,ウバメガシでは生育期間中,継続的に展開を続けるため,後者の被害は長期にわたって観察された.ヤマモモ,クスノキでは,内陸寄りの樹木についても被害が観察された.ヤマモモでは,葉の被害は主として幼葉の期間に進行した.被害は葉のみならず枝の伸長量の差にも明らかである.クスノキでは,葉の被害は幼葉期に限らずあらわれ,また枝の被害も著しかった.こうした被害の様相の違いは,これらの樹種間にみられる樹冠偏形のあり方の違いに反映していると考えられる.
- 千葉大学の論文
- 1989-02-28
著者
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