水稲-麦類二毛作の作期と気温条件
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概要
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本邦における水田二毛作の作期を年平均気温から求めた福島ら(1960)の方法の改良を試みた.1.本州,四国,九州に共通する水稲の安全登熟低温限界条件を検討した結果,日平均気温23℃終日から7日前を安全出穂晩限期,それから積算気温860℃に到達する日を安全成熟晩限期とみなした.2.麦類の播種期は2月1日を起点として,さかのぼって積算気温500〜600℃到達日の間で行われていた.3.水稲の安全成熟晩限期と積算気温500,600℃到達日は何れも年平均気温と高い相関を示し(Table 3),その回帰直線は年平均気温10℃で交叉し(Fig.6),10℃以上の地域では秋の二毛作作業が可能なことが示された.4.小麦の刈取期は日平均気温21℃初日までに,また大麦は20℃初日までに各地ともほぼ完了しており(Figs.2, 6),これらの初日は同時に二毛作水稲の移植早限期を示す.これらの初日は年平均気温と高い相関を示した(Table 2).5.二毛作水稲の栽培の可能性は,移植〜出穂期間積算気温の大きさによって決定される.一毛作よりも高温条件で移植されることを考慮して,1300℃が実用的最小積算気温を持つ品種として推定された(Fig.7).6.Fig.8がこれらの結果を総合した作期計画図である.各地の年平均気温を知ることにより,その土地における各作期,当日の気温,栽培可能水稲品種を直ちに知ることができる.
- 千葉大学の論文
- 1983-12-25
著者
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