畝方位の異なるダイズ群落下の微気象の違い
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
作物が畝に植えられたとき,畝方位と太陽の位置関係によって畝間の土壌面へ達する日射の強さは異なる。これは畝群落内の微気象に空間的な相違をもたらす.ダイズの畝間がまだ閉じていない時期に,地表におけるいくつかの気象要素の空間分布の違いを調べるために千葉大学園芸学部圃場(北緯35°46',東経139°54')で1996年の夏に野外実験を行った。結果は,南北畝間で観測された異なる位置での気象要素の大きさと変化パターンが,東西畝間で観測されたものと大きく異なることを示した。各位置の気象要素の変化パターンは,畝方位と太陽との位置関係で決まる土壌への入射放射のパターンと関連していた。南北畝間の東,中央,西の土壌面入射放射量,純放射量,地中熱フラックスのそれぞれの日変化の大きさは,キャノピー直下で観測されたものより2倍から3倍大きかった。一方,東西畝間の中央の土壌面入射放射量,純放射量,地中熱フラックスのそれぞれの日変化パターンは,キャノピー直下で観測されたものより3倍から4倍大きかった。地表面の日向と日陰の温度差は,南北畝と東西畝でそれぞれ15℃,20℃を越えた.各位置の高さ5cmで測定された気温は,東西と南北の畝間の位置に依存した.
- 千葉大学の論文
- 1998-03-31
著者
-
今 久
千葉大学園芸学部
-
松岡 延浩
千葉大学園芸学部
-
Baten Md.
緑地気象学研究室
-
今 久
緑地気象学研究室
-
松岡 延浩
緑地気象学研究室
-
照沼 保明
緑地気象学研究室
-
Baten Md.Abdul
緑地気象学研究室
関連論文
- 中国黄土高原北部の退耕還林還草地における土壌炭素・窒素の変化(第37回大会)
- P12 水稲の耐暑性の品種間差異に関する研究 : 出穂期の葉身および穎の温湿度と形態情報
- はじめに(雲仙普賢岳の火山災害10周年 : 火山災害がもたらしたもの)
- 自然災害に対する危機管理の現状と課題
- ポリエチレンフィルムによる地表面被覆が気温と湿度に及ぼす影響
- 乾燥模擬葉を使ったトウモロコシ個体蒸散量の算定
- トウモロコシ(Zea mays L.)の気孔コンダクタンスと通水コンダクタンスの相互関係
- 晴天日における散乱B領域紫外線量の変化について
- 課題(11-30):水分と栄養ストレス条件下の植物個葉の反射スペクトル特性に関する研究(継続)(2.2一般研究)([2]共同利用研究(平成11年度))
- 課題(10-26):環境ストレスを受けた植物個葉の反射スペクトル特性に関する研究(継続)(2.2一般研究)([2]共同利用研究(平成10年度))