樹木の公害抵抗に関する研究 : IV 土壤の乾湿とSO_2抵抗性
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概要
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都市樹木の公害抵抗性を増進させるための管理技術開発の一環として,灌水による効果について実験を行った.1.供試樹木は6年生(盆栽用苗木)のケヤキで,1972.8.1に木箱に植付けた.2.実験区は乾区,標準区,湿区の3区で,1回の灌水量と頻度をかえることによって,所定の土壌水分を保ちつつ2ヵ月の間培養した.この間の生育量は,湿区>標準区>乾区で,とくに湿区と乾区とでは大差があった.3.SO_2接触装置および接触法は第1報と同じである.SO_2 2.5ppm区では,土壌の乾湿による被害度に差はあまり認められなかったが,4ppm区での被害度は,湿区>模準区>乾区で,過湿区では被害は大であった.4.防護剤(OED)との組合せでは,SO_2 2.5ppm区では,防護剤を処理したものではその被害が著しく軽減され可視的被害はほとんどみられなかった.4ppmの高濃度で接触した場合湿区ではほとんど差はなかったが,乾区,標準区では防護剤を用いなかった場合に比べて1/2以下となった.5.SO_2被害度よりみると乾区が低かったが,生育量は最低であり,湿区は生育量が旺盛であるがSO_2抵抗性が低い.生育量,SO_2抵抗性,防護剤の有効性よりみると,標準区程度の水分において最も安定していた.6.樹木の生育とSO_2抵抗性の両者より勘案すれば乾燥地,乾燥時には適度の灌水を必要とし,湿潤地では排水を図ることが望ましい.
- 千葉大学の論文
- 1974-03-15
著者
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