日本芝の実生繁殖に関する基礎的研究 : 第1報 種子の稔不稔率と選種法について
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概要
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昭和27年度に於て,日本芝の実生繁殖に関する基礎的研究の一部として,種子の稔実,不稔実の実態を調査した.同時に適切なる選種法を見出す事並にその確実性を検討した.材料は野芝で栽培品と野生品とを用い,選種はアルコール選と風選の方法をとつた.1.従来日本芝の実生繁殖は不可能とされる程不稔実種子が多いとされていたが,本実験により相当高い稔実率を示す事がわかつた.2.野芝についてみるに,稔実率は最高93.7%(野生),最低77.9%(栽培),平均86.3%であり,これは十分に実用に供し得られる値であつた.3.栽培,野生の両者間では野生品が高く,熟度との関係では,熟度の進んだもの程稔実率は高かつた.4.アルコール選種法によれば,濃度65〜85%に於て沈下したものをとれば,完全に稔実種子を得られ,それは稔実種子全体の71.8%(最高86.3%,最低57.3%)であつた.5.風選によれば250cm/秒に於て,落下距離30cm迄のものをとれば,完全に稔実種子を得られ,それは稔実種子全体の91.5%(最高94.74%-,最低88.3%-)であり,実用上大量選種に適したものと云う事が出来よう.
- 千葉大学の論文
- 1954-09-30
著者
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