千葉大学園芸学部並びにその周辺地域の公害について : I. 園芸学部構内の騒音分布
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概要
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1.園芸学部構内におよぼす騒音源としては,隣接する幹線道路による交通騒音が主体であり,ここでは1時間当り約3,000台の自動車の走行によって,常時80ホンに近い騒音が指示騒音計によって測定された,2.建物内の騒音は幹線道路よりの距離によって左右されるが,建物全体よりみれば,歩道の地点に比べて約1/2の騒音レベルである.3.さらに詳細にみると,建物の階数別分布では,騒音レベルは2階〜1階〜3階〜4階の順に高くなり,また東西に長い建物の中では,幹線道路に最も近い位置にある東側の部分が最も高く,西側部分に比べて約9ホンの差がみられた.また廊下を距てて道路側の室では,その反対側の室に比べて,騒音レベルは約7ホン高い値を示した.4.教室の環境として望ましい騒音レベルを40ホンとすれば,建物の西端に近い部分を除いて,幹線道路に面する室はすべて許容範囲を越えている.5.教室の中で最も高かった東側部分の南面,4階の室における24時間の騒音レベルの変動を,高速度レベルレコーダーの記録によってみると,夜半より夜明けにかけて最も低い値を示したが,勤務時間内にある9.00〜15.00時の時間帯に比較的高い値を示した.6.園芸学部の敷地は,地形上幹線道路より1段高い台地にあり,また騒音発生源より130m以上後退し,その上,間に比較的厚い樹林帯があることなどより,歩道の地点の値に比べて,中央値において約30ホンの低下がみられた.7.さらに詳細に庭園および農場内の騒音分布をみると,距離による減衰のほかに,建物や植樹帯のかげ,局部的なくぼ地などでは,より一層低下がみられ,地形・地物による減衰の事例もかなり多く見られた.8.今後交通量の一層増大が予想されるので,学部としても今より防音対策を考究しておく必要があろう.
- 千葉大学の論文
- 1970-12-31
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