キウリ栽培(露地)における大型合掌式網支柱の作業技術的考察 : 支柱つくり作業・支柱整理作業の作業分析と改善の方向
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概要
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キウリ栽培で,大型合掌式網支柱を省力化との関連で利用する場合,支柱つくり作業と支柱整理作業の省力化が重要である.本報は,この種の作業改善の手がかりを得るため,移動分析および時間分析による作業分析を試みた.その結果を要約すると次のようである.1)支柱つくり作業,支柱整理作業ともに,作業者の無駄な移動が極めて多い.これらの移動の多くは,作業者自身,ほとんど無意識に近い状態で行なわれている.作業方法,作業手順を改善して,移動線の逆行や屈曲をさけ,直線移動にすることが大切である.とくに,カラ移動(運搬)の排除に努めなければならない.2)用材・用具類の運搬には,運搬具の選択と積載量の適正化による運搬回数の削減,1時荷おろしによる再取扱いの排除,小物用具・用材のパレット化などが考えられねばならない.3)とくに,竹材の運搬には,運搬自体はもちろんであるが,竹収納舎の位置(周囲の条件)や構造,竹収納の状態が作業の難易に大きく影響している.作業改善とともに竹収納舎の改造が望まれる.4)支柱つくり作業で"縛る"作業が多くの作業時間を所要する.支柱構造の検討とともに,作業方法,作業手順の改善による"縛る"回数の削減が必要である.5)支柱の構造,とくに"高さ"が支柱つくり作業,支柱解体作業ともに作業の難易を支配している."高さ"の適正化と,それに適合した脚立(踏台)の工夫改善が望まれる.6)支柱解体作業で網にまつわる作業時間が極めて多い.これは,網の耐用を考慮する結果で,網の使用を1回限りとして処理することによってこの種の作業の大半は排除できる.
- 千葉大学の論文
- 1969-12-31
著者
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