学校造園計画に関する研究(第1報)
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概要
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人口が社会的に急増する地域に属する松戸および柏市の小学校を対象として,戸外のスペースや施設の在り方を追求するため,すべての自由時間における全校児童の戸外行動を調査した.その結果を要約すれば次のようである.1.校地面積は,全国社会増地域の平均を上回っていても,児童1人当りの校地面積はかなり小さい.校舎は改築し,または改築中のものが多いが,片廊下型の校舎を敷地の北側におき,南側に運動場をとる平面形が,いぜん多い.2.自由時間に戸外へでる児童教は,ピーク時で30〜50%程度であるが,3〜4年生が最も高率である.性別については,低学年では差がなく,高学年になるほど差が大きい.3.行動内容は,いろいろな遊びで占められている.とくに集団的な運動遊びが殆んどである.4.形成集団の大きさは,2人から45人までのひらきがあるが,低学年では2〜3人集団が最も多く,中,高学年では4〜5人と10〜12人集団が多い.男女による差は大きくない.男女混合の集団は,全体で20%程度であるが,低学年では約40%,中学年で約10%,高学年ではきわめて少ない.他学年との集団化は,ごく少数である.5.低学年はチームをつくるスポーツ的な遊びは殆んどみられない.従って,広い運動場を使うことは少なく,なお幼児的な心理特性からも校舎まわりが最も行動しやすい場とみられる.中学年および高学年は,ともにスポーツ的な遊びが主体で,運動場が盛んに使われるが,性別により差がある.中・高学年男子は広い運動場を中心に,最も大きな面積と位置を占める.中・高学年女子は運動遊びの種類も少なく,最もまとまりのない利用領域と,低学年児童よりも小さな限られたスペースの遊び場しか形成していない.みすごしにできない問題である.
- 1969-12-31
著者
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