果樹園の防風施設に関する一考察(1)
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概要
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以上のとおり風衡地帯では果樹の育成に当り防風施設が十分考慮される必要があることは千大園内の果樹園の柿樹が強風のためその樹形が正状の樹姿をせず歪んだ形をし,風下側に向ってなびいた姿をしていることでも分かるが,着花や結果の問題では風上側では着花さえ認められないので,結実を望むことは不可能の問題であって,わずかに数個の着花が第2図に示すように風下側で観察されたが,実際に結実しその後果実の肥大をみたのは数個しか得られなかった.松戸市高塚地区では,梨栽培の農家では長年間の経験に基づいて防風垣や防風林帯の方位を決定し,防風施設下で梨栽培に従事しておる.また,風害から果樹を保護し安定した経営に従事している.以上の報告から風当りの強い地域,いわゆる風衡地帯とよばれる地域の農園芸作物の栽培には是非とも防風施設は不可欠の要素であることを痛感した.なお,この研究は指標植物を利用して局地風の推定をする一連の研究の1つであることを付記し,また航空写真その他で世話になった松戸市役所松原課長,池上技師および畠山久尚博士をはじめ災害科学会研究気象部会の万々に謝意を表したい.
- 千葉大学の論文
- 1968-12-31
著者
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