青果行商に関する調査 : I.大都市近郊における青果物流通の一形態
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概要
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大都市近郊における農産物流通の一形態として行商の実態について調査した.その結果を要約すれば次のようである.1.行商成立の条件は,農業経営内における余剰労働力の利用による収益の増大であったが,現在では農家経済の不況による収益の増大えと変ってきている.2.栽培技術に統一性がみられないのは,行商作物作付規模の零細性によるものとみられる.3.朝市に出荷される行商品は,品質的に中物が多い.4.行商者と顧客の人間関係は密接であるから行の永続性が考えられる.5.行商者は顧客を40戸もっているが,1日に訪問しうる戸数は20戸である。6.行商者の大半は団地や住宅街を訪問している.7.農産物の商品としての性格は,果菜類の比重が高く,他のそ菜は従的なものである.8.1回あたりの購入金額は顧客の生活水準によって影響される.9.行商の形態によって売上高に差があらわれるのは,行商の農家経済に対する依存度によって影響される.10.行商の将来は,世代の交替が行なわれていないこと,労働力の不足によって,発展はあまり望めない.
- 千葉大学の論文
- 1967-12-31
著者
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