ナシ作技術の展開と経営発展に関する研究 : 千葉県のナシ生産を中心として
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概要
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ナシ作技術の展開と経営発展について,千葉ナシを事例として,その特質と県内産地の発展要因を分析し,さらに旧産地として発展している東葛ナシの技術的,経営的役割を考察した結果は次のようである.1)千葉ナシは全国のナシ生産より早く復興した.2)長十郎の省力技術としての,無袋栽培が早期に導入され経営に定着した.3)早期収穫に適応した整枝・剪定技術が普及した.4)新興産地の多くは旧産地から技術的・経営的影響を受けている.5)県内産地の発展傾向を4つのタイプに分類することができた.新興産地は全体の71%に達し,これら産地の多くは圃場の整備や集団化がおくれている.6)量産から品質生産に移行するなかで,蛾や鳥害,剪定など新たな問題が発生している.7)早期出荷を実施している東葛ナシを事例として,早期出荷と老木園,更新という矛盾した関係を経営的に如何に調整するかを模型的に考察した結果,経済的老木期間内で更新することが経済的負担の軽減になると考えられる.8)老木園を多くかかえる東葛地域に,計画密植栽培が更新の手段として農業経営に導入されている意義は大きい.育成期間の短縮と間伐の遅れによる弊害の調整が経営的課題となる.
- 千葉大学の論文
- 1983-12-25
著者
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