苗床の条件とトマト,胡瓜苗の光合成作用について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.本実験は育苗環境と苗の良否との関連を光合成作用の面より解明せんとして行われたもので,光度および株間とトマト,胡瓜苗の葉内の炭水化物量を分析した.2.日射量とトマト,胡瓜苗の光合成量との関係を調べるため,違った播種期に育苗して,違った階級の日射量を得,両者の関係を葉中の全炭水物量によって比較した.3.トマト,胡瓜苗の葉における全炭水化物の生成は,日射量の増大と共に増加し,トマト苗では,176.7〜199.5cal./cm^2/6 hrs.,胡瓜苗では252.0cal./cm^2/6 hrs.のとき最大値を示し,さらに日射量が増大すると,炭水化物量は減少した.4.粗植および密植状態で育苗された苗の各葉の光合成量を調べるため,トマトでは株間を4.5寸×4.5寸,および2.5寸×2.5寸に移植し,播種後42,48,54日目に調査した.胡瓜では,第1回に3寸×3寸,第2回5寸×5寸および第1回1.5寸×1.5寸,第2回3寸×3寸にして,播種後35,42,50日目に調査した.5.密植状態で育苗されたトマト苗では下葉の炭水化物量が,密植状態が大きくなるにつれて減少し,上位の大形の葉では,一時炭水化物量が増加するが,その後これも次第に下位葉となって減少する.粗植状態の苗では密植状態となるまで炭水化物量は多いが,大形または上位葉ほどその値が大きい.6.胡瓜苗では両区とも下葉の炭水化物量が最も多く,密植の状態が続いてもある程度までこの傾向が続き,トマトのように上位葉附近のみ最大の値を示すということはない.しかし密植区では全体として炭水化物の含有率も含有量も,粗植区のそれに比較すれば少い.
- 1957-12-30
著者
関連論文
- 苗床の条件とトマト,胡瓜苗の光合成作用について
- トマト,キウリ苗の炭水化物ならびに乾物生産と葉位,苗令との関係
- 低光度下におけるトマト苗の発育と温度,日長,灌水量との関係について
- 菜豆の花芽の發育並に開花の樣相について