AAIM報告 : 運動負荷心電図検査について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2002年米国オーランドで開催されたアメリカ保険医学会の中から,運動負荷心電図に関する報告を危険選択研究会で行った。トレッドミル運動負荷試験は,心臓疾患の発症予測に有用であり,検査結果の陽性所見が著しいほど,心疾患の発症や心臓死などの心イベントの発生頻度が高い。心筋虚血の程度に比例して,STの傾斜は上向き(upsloping)から,徐々に水平(horizontal)になってくる。ST低下のパターンによって冠血管疾患の診断確率は異なり,ほとんどの施設では水平か,下向き下降(downsloping)の基準を採用している。また運動負荷量の増加にしたがって,ST低下は増大し,ST変化を示す誘導数も増え,狭心痛が出現する。ST低下の誘導部位は冠血管の責任病巣を反映しないが,IIとaV_F, V3-6のすべての誘導にST低下を認めた場合の感度は100%である。トレッドミル運動負荷試験は,冠血管疾患の検査前確率が30〜70%の場合が最も有効で,感度は68%,特異度は77%であり,高度病変ほど高くなる。運動開始後早期に異常所見が出現したり,負荷終了後の異常所見の回復が遅延する場合は,多枝病変か左主幹動脈の病変である。左脚ブロックや右脚ブロック,心室性期外収縮,WPW症候群の場合は,冠血管疾患の評価には注意が必要である。コンピュータ解析法が進歩しても,最終的には査定医が目で見て確認しなければならない。
- 2003-06-17
著者
関連論文
- AAIM報告 : 運動負荷心電図検査について
- 疾病入院給付後の予後調査
- 特定難病給付金の支払請求事例の検討
- 死亡保障保険における先天性心疾患の検討(一般演題B,第109回日本保険医学会定時総会)
- 死亡保障保険における先天性心疾患の検討