ホルター心電図検査施行例の予後
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概要
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過去17年間に東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所でホルター心電図検査を受けた29,229例を,初回診断で基礎疾患を持たないNONE群と,何らかの基礎疾患を持つPLUS群に分け心室性不整脈に注目して追跡調査を行った。基礎表として生保標準生命表1996,昭和62年年齢別予定疾病入院率・予定手術率を用い,死亡指数・入院給付指数・手術給付指数を算出した。観察期間は平均2.8±3.7年であった。NONE群は12,714例(男6,497例,女6,217例)平均年齢46.8±17.5歳,PLUS群は16,515例(男9,730例,女6,785例)平均年齢は53.3±17.8歳であった。1日の心室性期外収縮(PVC)数では千個/日以下の症例が88.6%を占めていた。死亡数は1470例(NONE群229例,PLUS群1,241例)であった。NONE群の死亡指数は全経過で79(95%信頼区間:69-90)で,経過年度別では各年度の死亡指数に有意差があるとは言えなかった。PLUS群では全経過で194(184-205)で,初年度は345(310-379)と他年度に比し有意に高かった。年代別ではNONE群では各年代の死亡指数に有意差はなかったが,PLUS群では若年者の方が有意に高かった。また,PVC数を3千個/日で2群に分け死亡指数を比較すると,NONE群ではPVC数で死亡指数に差はなかったが,PLUS群の3千個/日未満の群は186(175-197),3千個/日以上の群は325(267-383)と,3千個/日以上の群が有意に高かった。入院数は7,866件であった。全経過の入院給付指数はNONE群は64(61-67),PLUS群では81(79-83)と,両群ともに100以下であった。手術給付数は7,514件で,全経過の手術給付指数はNONE群は226(215-237),PLUS群では414(404-425)であった。このことから,心室性期外収縮をみた場合には,基礎疾患の有無に注意することが肝要である。
- 日本保険医学会の論文
- 1998-12-15
著者
-
笠貫 宏
東京女子医大
-
松田 直樹
東京女子医科大学心臓病センター循環器内科
-
今泉 惠次
日本保険医学会共同研究班 日本生命保険相互会社
-
田村 光司
東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所 循環器内科
-
薮内 健三
日本保険医学会共同研究班 大同生命保険相互会社
-
籔内 健三
日本保険医学会共同研究班 大同生命保険相互会社
-
藪内 健三
日本生命保険相互会社
-
田村 光司
株式会社メディカルストレージ
-
田村 光司
東京女子医科大学
-
斉藤 範夫
日本保険医学会共同研究班 第一生命保険相互会社
-
堀 博展
日本保険医学会共同研究班 安田生命保険相互会社
-
山下 公平
日本保険医学会共同研究班 朝日生命保険相互会社
-
今泉 惠次
日本生命保険相互会社
-
斉藤 範夫
第一生命保険相互会社
-
角 弘
住友生命保険相互会社
-
堀 博展
安田生命保険相互会社
-
山下 公平
朝日生命保険相互会社
-
籔内 健三
大同生命保険相互会社
-
松田 直樹
東京女子医科大学 循環器内科
-
松田 直樹
東京女子医大日本心臓血圧研究所
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