国民の世代生命表について
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概要
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平均寿命を検討するときには通常時点生命表が用いられる。これは異なる世代に属する年齢階級の死亡率を用いて作成されたものであり,特定の世代についての生命表ではない。そこで,日本国民の1900年から1930年までの5年間隔での世代世命表の作成を試みた。人口動態統計より,1920年から1985年までの5年間隔で,80歳までの5歳階級別総死亡率を得て,基礎資料とした。80歳以上の死亡率を算出するためにはGompertz-Makehamの法則を用いた。その結果,世代と時点生命表とでは平均寿命に約20年の時間的差があり,世代生命表の方が長寿であった。また,幼年と若年との平均余命の年次推移の相互関係は両生命表間で異なっていた。世代生命表の作成には約100年の歳月を要し,実用的とは言えないが,両生命表が如何なる関係にあるかは常に考慮しておく必要があると思われる。なお,公表されている時点生命表の平均余命と今回の方法で算出したそれらとはよく一致していた。
- 日本保険医学会の論文
- 1988-12-20
著者
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