胃癌患者における血中ペプシノーゲンI・IIおよびシアリルTn抗原測定の意義
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概要
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胃癌切除例60例について,スクリーニングに有効とされている血中ペプシノーゲンI (PGI), ペプシノーゲンII (PG II)と最近の腫瘍マーカーのシアリルTn抗原(STn)を測定し,その臨床病理学的因子とを対比して,これらの胃癌治療における意義について検討した。PG陽性率(PGI<70ng/ml, PGI/PG II比(I/II比)<3)は63.3%, STn陽性率(STn>45U/ml)は31.7%であった。PG陽性率はStage 3とStage 4で有意に高率であった。有意差検定の結果,PGI値は早期癌に比ベ進行癌で有意に低値を示した。PGI≦40ng/mlかつI/II比<3.0を基準値とした場合,陽性例のうちの進行癌の比率は68.8%であり,全進行癌中の73.3%が陽性であった。以上の結果,PGおよびSTnは胃癌の「進行度」予測の補助手段となり得ることが示唆された。
- 北里大学の論文
- 1993-02-28
著者
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