青木正児著『金冬心的詩文』
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概要
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金農、字は司農、または壽門。冬心はその号である。このほか、また吉金・百二硯田富翁・稽留山民・昔邪居士・龍梭仙客・耻春翁・曲江外史・心出家〓粥飯僧などの別号を称していたが、冬心の号は最も有名である。「揚州八怪」の一人である。浙江杭州の人で晩年は揚州で歿した。ここに漢譯したのは青木正兒博士著『金冬心之藝術』第五章である。金冬心はもと詩人である。その画はその詩と書とを得て一段と光彩をはなつといわれるほど、金冬心の藝術の根柢をなしているのは詩であり、書である。金冬心の詩の傾向は晩唐の李商隱・陸亀蒙に宗法しているのであるが、晩年の揚州時代にはいわゆる法に入って法を出た自家獨特の詩風をなし、沈静と幽雅がその基調となっている。また散文においては、晩年の揚州時代に書かれた諸々の題画記が最も金冬心自身の境地をあらわすものである。その飄逸な筆致・曠達な思想は、新しい題画文学というジャンルを樹立させたともいえる。
- 桃山学院大学の論文
- 1998-01-31
著者
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