樂府には、「詩餘」とか「倚聲」とか「長短句」などといろいろな異名があり、また単に「詞」ともいわれている。もとは一般大衆の間で音樂に合わせて歌われていた小唄であるが、唐の中期から発達しだして、唐末五代の間に独立した文学のジャンルにまで立派に成長し、宋代になると全盛を極めるに至ったものである。ここに収めたのは、いままでの自作の樂府や散曲(短章の歌曲)の「小令」から選んだ二十余篇である。
文学部 中国学