竹林七賢の巨頭である阮籍は、常にただひとりあてもなく車を駆け、袋小路に行き当たるごとに慟哭して帰ったという逸話がある。本論文は、この逸話の生じた背景を探求すべく、阮籍の魏晋時代における処世観及び思想変遷を分析し、乱世に生きた哲学者の悲劇の解明を試みた。
文学部 中国学