肝硬変症の予後に関する臨床的検討
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概要
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北里大学消化器内科における1971〜1985年の肝硬変症288例を対象に予後に関する臨床的検討を行なった。年次別生存率は,1年生存率92.7%,3年生存率75.0%,5年生存率55.0%,10年生存率24.4%であった。成因別ではアルコール群38.1%,不明群26.7%,HBs抗原陽性群18.7%,輸血群14.8%であった。臨床検査成績では特に,アルブミン,γ-グロブリン,コリンエステラーゼが長期予後判定に有用であった。死因は肝細胞癌によるもの41.4%,肝不全22.6%,食道静脈瘤破綻18.8%であり,288例の肝硬変症例中22.9%に肝細胞癌の合併が認められた。臨床検査成績の変動からみた肝細胞癌合併の有無の判別分析では,肝癌合併群は誤判別率25%,非合併群は誤判別率30%であり,臨床検査成績を経年的に観察し,判別分析にて肝癌合併を予測することは有用であると考えられた。
- 北里大学の論文
- 1988-12-31
著者
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