実験的気道狭窄に関する検討 : 致死時間と体液酸塩基動態について
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概要
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気道狭窄用カニューレ(自作)による慢性的O_2欠乏状態の窒息(ウサギ)における狭窄カニューレと致死時間の検討,呼気中CO_2容量波,血液・脳脊髄液の酸塩基動態より呼吸不全の基礎的因子を追究した。致死時間 : 内径0.5mm,狭窄部全長3.Ommカニューレでは30分〜3時間前後の亜急性ないし慢性窒息をとり,気管横断面積/狭窄孔断面積=狭窄比が増加すると呼吸停止発現時間の短縮,減少すると延長が認められた。すなわち気管横断面積は気管狭窄による致死時間の左右因子となる。体液酸塩基状態 : 致死時間の長短にかかわらず呼吸性acidosisを示し,終末期に代謝性acidosisを合併して,死戦期にPCO_2の急上昇後呼吸停止した。致死時間が延長するほど中間期パターンが顕著にsteady stateした。P_<CSF>CO_2はP_aCO_2の上昇に著明に応答して中枢性化学呼吸調律作用障害の主因を示した。従って本研究における呼吸不全因子はPCO_2がkeyと判定される。
- 北里大学の論文
- 1981-12-31
著者
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