ラットとマアジの脳に分布するセラミドモノヘキソシド(CMH)の特徴
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概要
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複合脂質の一種である糖脂質は生体の細胞膜に局在し,細胞間認識,細胞増殖や分化,あるいは細胞接着分子などの機能が報告され,分子生物学的見地から研究が期待される。糖脂質の分離精製法として,最近幅広く利用されているHPLCの導入を試み,その分析方法の検討を行うことにした。その第一ステップとして哺乳類ラット由来のCMHと魚類マアジ由来のCMHを分離精製し,その構成成分の比較検討を行った。ラットもマアジもCMHはTLC上では2つのバンドから構成されていたが,その割合は異なり,ラットは上部が16%,下部が84%であるのに対して,マアジは上部が78%,下部が22%であり対照的な結果となった。構成糖はガラクトースであり,ラットが約95%,マアジは100%ガラクトースから構成されていた。ラットはわずかであるがグルコースが混在していたが,動物種による脳の構成糖の差異はほとんど認められず,主要構成糖はガラクトースであった。主要な構成脂肪酸は,ラットの場合C24:0のハイドロキシ脂肪酸が46.1%を占め,マアジに比べて16や18の炭素数の少ない脂肪酸の割合が高かった。マアジの主要脂肪酸はC24:1が48.7%を占め,不飽和脂肪酸の割合が高く,ラットと明確に異なる結果が得られた。
- 昭和女子大学の論文
- 2004-12-01
著者
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