荀子の墨家批判
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概要
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荀子は、戦国時代末期に活躍した思想家であるが、彼は諸子学派の影響を受けながら、自己の学説を創設して、諸子批判を行った。荀子は彼の改治思想と対立する思想家には、容赦のない批判を浴びせた。なかでも、彼の墨家学派に対する批判は、厳しく統一され、明瞭である、故に、荀子の墨家批判を究明できれば、彼の目指した政治思想も、鮮明になるはずである。第一節では、彼の代表的な墨家批判を取り挙げ、併せて儒家と墨家の学説の特色とその関連を解説し、彼の墨家批判の動機と理由を探る。第二節では、彼の墨家批判を通して、両学派の政治思想を比較検討するが、公平を期すため、墨子の学説も適宜提示する。第三節では、墨家が礼樂思想を非難した理由を認識し、また荀子が墨家の非樂論を排斥した目的も理解して、彼の礼至上主義の政治思想の構造を考察する。第四節では、墨家の人性論を批判した荀子の言説を研究し、彼の現実的な人間観、社会観を把握する。結びでは、荀子の墨家批判の時代的な意義とその内容を総括する。
著者
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