P.リクールの解釈学(上) : カフカ解釈の視座から
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概要
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クルッシェはカフカ解釈を批判的に検討する際、「問題化された相互作用」という主導概念を提唱して、解釈者の「解釈学的前理解」とテクストとの間に「方法論的な距離」を置くことを主張しているが、これはハイデガーによって明らかにされた解釈学的状況の「予-構造」、並びにガダマーの「影響作用史」の考え方を踏まえたものであった。ハイデガーにおいて敢行された「認識論の存在論への従属という根本的転回」により、真理概念は「普遍妥当性」の要請から解放され、それと同時に「解釈学的循環」は新たな次元を獲得して、ガダマーの弁証法的な「問いと答えの対話構造」、「地平の融合」を準備する。「テクストの自律性」を前面に押し出すリクールの解釈学も、その延長線上にあると考えられる。
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